リモネンによる安全性の高い接着剤

※この記事は、リモネン系セメントが一般的に流通する以前に、試薬を取り寄せて書いたものです。
現在はガイヤノーツの「リモちゃん」という、入手しやすいリモネンセメントが登場しましたので、リモネンセメントを使いたい場合も試薬や海外製品を購入する必要はなくなりました。


 リモネンという揮発性有機物質がある。
 柑橘類の皮から抽出される成分で、その甘酸っぱい香りの素でもある。
 リモネンは通常、ガムなどの香料で使用される液体である。また台所やOA機器のクリーナなどでかなり以前より使われている。ある日、東京電力のテクノ探偵団という番組で、ソニー株式会社がリモネンを使った発砲スチロールの回収システムを行っている事を知った。
リモネンを利用した発泡スチロールリサイクルシステム

 リモネンは、発砲スチロールの成分であるスチレンと分子構造が似ており、リモネンに触れたスチレンは、簡単に溶けてしまう。溶けると言っても、科学反応ではないので、リモネンが蒸発すると物性のまったく変わらない元のスチレンに戻るのだ。
 僕は思った。これってプラセメントと同じ効果じゃないか。模型作業で使われる物のなかでも人体に有害性の高いプラセメントの代替になるのではないか、と。
 さっそく会社の近くの薬局でDリモネン95% 500ml(東京化成:\3,500)を注文した。意外と簡単に入手できるものだった。
値段が高く思えるけど、40ml当たりだと\280なんで流し込みタミヤセメントよりは安い。

 ちなみに製造元の東京化成工業さんのホームページで取り寄せできる全国の薬局の情報が掲載されています。

火気厳禁なので取り扱いには注意されたい。できれば冷蔵庫で保管。

 封をあけると、みかんの香りがした。早速ジャンクパーツに直接リモネンを塗り、貼り合わせてみた。しばらく放置させると、見事に接着していた。、まさにプラセメントと同じ効果である。プラセメントに、安全性の高い代替品があるとは思っていなかったので非常にうれしい。
 アセトンに比べて気化速度が遅いので完全な乾燥時間には、余分に必要と思われるが、実際使うと、それほど気にならない。
油性アクリルから水性アクリルに替えたときのイライラに比べたら全然マシ。流し込み利用ならほとんど問題ないだろう。

 またこの実験を進める中で、タミヤの流し込みタイプのセメントにない利点を発見した。それはリモネンはスチレンは溶かすが、油性アクリルの塗装面は侵さないということだ。塗装済のパーツを流し込みで接着する時にありがちな、塗装面を台無しにしてしまう事故が無くなるのだ。これは使えますぞ!!
(水性アクリルは残念ながら侵されてしまうようだ)

 500mlの瓶は大きすぎるので、実際に使う際は使い切ったセメントの瓶に入れて利用すると良いでしょう。通常のプラセメントのようにスチレンを含むものを、発泡スチロールを使って作ってみた。

 さて、これからの作品にはこれを使ってみようと思っている。
 実は僕が多くの勉強をさせていただいている、あるプロモデラーさんに、図々しくも試用をお願いした。なんとキット製作で使っていただき、使えるという言葉をいただきました。ありがとうございます!!

3/NOV/2001


テスターのリモネンセメント

 ずいぶん長いこと放置されていたリモネンネタですが、最近ちらほら反響があるようです。
やはりAceさんがプラストラクトのを取り上げたからなのでしょうか。

 Aceさんからリクエストをもらったので、リモネン系と思われるセメント(Froquil、Testors)を掲載します。
 Testorsのもの(写真中央)は、スチレンが混入されているようでやや粘性があり、垂れ難いため、使いやすいと思います。容器がノズル状になっているしね。
 Froquilのはサラサラしてて流し込み用という感じですね。

 そんなに大量に使うものではないので、原液なんかを買うより、こういった模型用製品を購入されることをオススメします。
 ちなみに両者とも、GreatModelsで購入可能です。


中央がTestorsのNontoxic Cemment(1oz $2.80)で、左端がPollySのLiquid Cemment(1/2oz $2.70)。
ちなみに右端はリモネンとは関係ないTestorsのCanopie Cemment。こちらも臭くなくて良いかも(1/2oz $2.25)。
(あとすでにあちこちの模型店で見かけるマイクロスケールのセメントもリモネン系と思われます)。


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